整理解雇の4要件 2007/5/1

【質問】
業績不振のため、緊急に整理解雇の実施を検討しています。整理解雇をおこなうためには、4つの要件を満たす必要があると聞きました。 

4つの要件とはどのような内容なのでしょうか。
 

【回答】
解雇は、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効」 と

なります。 「整理解雇」が有効だと認められるためには、 「整理解雇の4要件」 と呼ばれる下記の4点を満たす必要があります。
 

 
■ 要件1.  人員整理の必要性 − 整理解雇することに客観的な必要があること


余剰人員の整理解雇を行うには、相当の経営上の必要性が客観的に認められなければなりません。

つまり、客観的な裏付けとして企業の収支や経営指標などの具体的な数値等をもって、その必要性を説明できなくてはなりません。 

なお、どのぐらい経営悪化が進んでいれば人員整理が認められるかについては、
一般的には、倒産の状態に至らないまでも

企業が客観的に高い経営危機下にあるという場合には、人員整理の必要性が認められる傾向にあります。

判例によっては、企業の合理的運営上
むを得ない必要性があれば足りるとして、経営裁量を広く認めるものもあります。 

必ずしも倒産必至の状況でなければならないということではありません。

 

 要件2.  解雇回避努力義務の履行 − 解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと

期間の定めのない雇用契約においては、解雇は最後の選択手段であることを要求されます。  

解雇をおこなう前に、 「新規採用の抑制」、 「不採算部門の縮小・廃止」、 「役員報酬の削減」、 「希望退職の募集」、 「一時金カット」、
 「配置転換」などの解雇回避措置を実施して、整理解雇を回避するための最大限の努力をおこなわなければなりません。 


こうした整理解雇を回避するための相当の経営努力がなされたうえで、整理解雇への着手がやむを得ないと判断されます。


なお、この場合の経営努力をどの程度まで求めるかで、若干、判例の傾向は分かれます。

希望退職を行う余裕がないほどの人員削減が差し迫った経営状況なのであれば、整理解雇を行うことはできると考えます。
 


 要件3.  被解雇者選定の合理性 − 解雇の対象となる人選の基準、運用が合理的に行われていること

整理解雇の対象者を決める基準が客観的、合理的であり、その運用も公正でなければなりません。

会社側による恣意的な人選は、無効となります。

 

 要件4.  手続の妥当性 − 労使間で十分に協議を行ったこと

会社は、労働組合または労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模・方法について納得を得るために十分な説明を行うこと

必要です。


説明・協議、納得を得るための手順を踏んでいない整理解雇は、他の要件を満たす場合であっても無効とされるケース
も多くあります。 


労働組合がある場合には、事前に労使で協議しなければならない状況に当然置かれますので、その際の手順をきちんと踏んでいる 

かどうかが問われます。

労働組合がない場合には、労働者に対して経営状況や人員整理の必要がある旨の事前説明が必要です。 

資金ショートを避けるため(倒産を避けるため)に出資を受けたのであればその事実や、これからの経営を考えると人員削減が必要
あることを十分に尽くして説明しなければ、仮に裁判で争った場合には解雇無効になる可能性があります。